国内初 海の漁で使われる『漁網』を資源に【平戸市】

2023-7-11
海と日本PROJECT in ながさき

平戸市・生月町は人口4千670人が暮らす島です。この島の大きな産業が「まき網漁業」で、舘浦漁業協同組合には3社6船団が所属しています。
漁港には役目を終えて廃棄を待つ「漁網」が山積みになってます。
「漁網」はポリエステル繊維できており、分解されず自然界に残ってしまうため、適切に処分する必要があります。使用済みの漁網は国内で年間1000トンが廃棄され、舘浦漁協でも年間およそ50トン出ており処分に頭を悩ませています。

この問題を解決すべく、漁網を資源に変える新しい施設「舘浦漁網洗浄リサイクル設備」先月誕生しました。
舘浦漁業協同組合 鴨川周二 組合長は「漁業は自然豊かな恵みを受けて成り立つ職業、海の環境を守ることは漁業者にとって大変大事なこと、これから漁業を続けていくうえにおいてこういう活動を、漁網リサイクルを取り組んでいきたいと考えている」と話していました。
環境省の補助事業を活用し実証事業として始まったこの取り組みは、漁協と大手繊維メーカー・帝人、漁網の製造会社・木下製網の3社が連携してリサイクル技術の確立を目指します。 

漁網のリサイクルは、回収した網を細かく裁断するところからスタートします。

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裁断された網は溶剤洗浄機にかけます。ポリエステル製漁網には耐久性を上げるため網の表面は補強材でコーティングされており、再利用するためにはコーティングを取り除く必要があります。そのコーティングを取り除く処理ができるのは国内でこの施設が初めてです。回収から洗浄・乾燥までの工程をこの施設だけで済ませることができ、舘浦漁港で出たすべての漁網を処理することができます。

繊維メーカーと漁網の製造会社は、不純物が少ない洗浄済みの漁網を使って再生樹脂を作りトレーや軍手、食器や新たな漁網に生まれ変わらせて、商品化することを目標にしています。

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帝人アライアンスマネジメント部 西川敏彦 部長「消費者に喜ばれて買っていただけるような出口をしっかり見つけていかなければならない、その一つの大きな出口が漁網to漁網、もう一度漁網で使われるというのが大きい、市場としても大きいし、彼らも使う意味がある、地域循環みたいな形で皆様と一緒にうまく環境対応していけたらいい」

海の環境は年々悪化していて舘浦漁協によりますと生月島の海岸には多くの漁網や漁具などが頻繁に流れ着いていることから、漁協では定期的に清掃活動を行っているということです。
使われた漁網をもう一度、漁で活躍する漁網に。
豊かな海を守るために、漁網の再生、地域で資源を循環させる取り組みが日本、そして世界へ広がっていくことが期待されます。

(KTNテレビ長崎のニュースから一部転載)

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