大規模災害や事故に備えて、海上保安部と海上自衛隊が合同で潜水捜索などの訓練を行いました。
ことし(2022年)4月には北海道の知床半島沖で乗員・乗客26人を乗せた観光船の沈没事故が起きたばかりで、訓練は緊張感に包まれました。
長崎港の松が枝岸壁で合同訓練を行ったのは、長崎海上保安部の「巡視船でじま」の隊員と、海上自衛隊佐世保水中処分隊の潜水士など約50人です。海上保安部と海上自衛隊のそれぞれの部隊が合同で訓練を行うのは7年ぶりです。
この日は、飛び込みや潜水などの基礎訓練のほか、要救助者に見立てた70キロほどの人形を海底で見つけ、引きあげる「潜水捜索」と「救助」の訓練も行われました。要救助者をボートに引きあげたあとは心肺蘇生をしながら巡視船まで運び、一つ一つの手順を確認しました。
海上自衛隊佐世保水中処分隊の岩川元気三等海曹(28)は、「初めて海保の方と訓練をして、自分たちでやったことない訓練だったので、いい経験になった」と振り返り、第七管区海上保安部警備救難部の古川啓輔課長は「あのような大きな事故(北海道・知床沖の遊覧船)が発生した場合、海上保安庁のみで対応するのではなく、関係機関一致団結して救助捜索活動にあたる必要がある。その上でも今回の訓練は有用なものである」と話しました。
海上保安部は「長崎には離島向けの航路や遊覧船も多くあり、船の事故に最大限に備える」としています。