3回シリーズでリポートした「GO!TO!五島うみキッズ」。8月1日から3日まで五島市で小学生22人が学んだり体験したことを、①五島の海を学びつくす、②「磯焼け」について学び考える、をテーマにお伝えしてきましたが、今回が最終回です。
この「GO!TO!五島うみキッズ」は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とが繋がる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で行ったもので、子どもたちは五島の人々や自然に触れ、海について楽しく学びました。3回目は子どもたちが五島の海で学び体験したことの総まとめをリポートします。
【日本初!洋上風力発電”はえんかぜ”】
五島市沖に日本で初めて作られた洋上風力発電施設「はえんかぜ」。全長172m、羽が40mもある施設で、五島が日本初の設置場所として選ばれたのは、台風の通り道であるため比較的強い風が得られること、そして地元の漁師が設置を理解してくれたことなどが理由だそうです。また、発電施設としてだけでなく、海に沈んでいる部分は「漁礁」となり、魚の棲み処にもなります。
子どもたちは、「日本初」の施設ということにまず、びっくり!また、このような洋上風力発電が、国土の狭い日本においては、今後ますます活躍するということを聞いて、自分たちが住む長崎県が「洋上風力発電発祥の地」であることを誇らしく思っているようでした。
「はえんかぜ」について教えてもらった後は、船で実際の施設に移動。172mもの高さがある風力発電施設の迫力を体感しました!また、風力発電の模型を作り、その構造についても学びました。構造自体は簡単なのですが、羽の形や向きで発電量が変わる、とのことで、子どもたちはその設計の緻密さに興味を示していました。
【 海の恵みを使った「郷土料理作り」体験】
五島の海、と言えば、「海の幸」を忘れてはいけません!
地元のお母さんたちに、郷土料理も教えてもらいました。五島で獲れたアジをさばき、お刺身やすり身揚げを作りました。
長崎はアジの水揚げ量全国1位なのですが・・・魚をさばくことはもちろん、参加した小学生のほとんどは料理自体が初めてとのことで、魚の頭や内臓を自分の手で取ることがとっても貴重な体験!しっかりつかまないと魚の身が滑りやすかったり、慣れない包丁に悪戦苦闘しながらも頑張りました!!子どもたちは、「家に帰ったら、お母さんとまた魚料理をやってみたい!」と話していました。
【浜口水産で未利用魚からフィッシュハムを作ろう!】
さらに、子どもたちのチャレンジが続きます!
「GO!TO!五島うみキッズ」の3日間のプログラムを通して知ったのは、五島で大きな問題となっている「磯焼け」について、でした。
この問題を解決しようと、考えられた素晴らしいアイデア!「フィッシュハム」作りに挑戦します。教えてくださったのは、磯焼けの原因となる魚を使って、ハムを生産する浜口水産の方。浜口水産ではアイゴやイスズミ、ニザダイ、ブダイなど磯焼けの原因となる上、魚市場などでも価値が付きづらい「未利用魚」を敢えて使い、フィッシュハムを作っています。この開発には「せっかく獲れた魚を捨てずになんとかしたい!」「もったいない!」という思いが込められました。子どもたちも、捨てられていた魚がアイデア次第で無駄にならず活用できることを知り、こうした取り組みを通して「海の資源を守ることの大切さ」、そしてそのためには「守るために考えること」の大切さを学びました。
【「うみぽす」を作ろう!】
「GO!TO!五島うみキッズ」最後のプログラムは、ポスター作りです。
3日間の体験を通して学んだことを、1枚のポスターにまとめます。五島の海で学んだことが、絵とメッセージでしっかり表現されていましたよ!そして、今回学んだことを、家族や友だちに伝えることで、学びはより深まり、海の大切さ、海が抱えている問題について考える人がどんどん増えていきます。
美しい海に囲まれた五島で、海に関わる人たちと出会い、学びや体験を通して、海の美しさや大切さとあわせて、「表現すること/伝えること」の大切さも学んだ子どもたちは、これで立派な「海キッズ」になりました!
そんな海キッズが描いたポスターは、今後、「フィッシュハム」のオリジナルパッケージに使われるかも知れません。楽しみです!