五島市で小学生を対象に「GO!TO!五島うみキッズ」が8月1日から3日まで、開催されました。
その様子を3回シリーズで、リポートします!
今回は、「海について学びつくす」をテーマに、子どもたちが海について学んだことを紹介します。
「GO!TO!五島うみキッズ」は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とが繋がる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で行うもので、ことしは五島市に小学5、6年生22人が集まりました。
五島市は、長崎市から西におよそ100㎞離れた離島にあり、高速船で1時間25分かかります。
子どもたちはオリエンテーションを経て準備万端。五島では、「海の環境保護を目指した地元の魚屋さん(仲卸)の取り組み」や、「日本で初めての洋上風力発電の見学」「海のそなえとシュノーケリング体験」「魚さばき体験」「未利用魚を使った水産会社の取り組み」など盛りだくさんのプログラムを体験し、五島の人々・自然に触れることで、海について楽しく学びます。
【地元の魚屋さんに「海の課題」を聞く】
到着後、まずは地元の魚屋さんの話を聞きました。仲卸業「金沢鮮魚」の金澤竜司さんは、約60年五島の海とともに暮らしています。金澤さんにとって、五島の海は魚がたくさんとれる自慢の海。
でも、最近、海の中は決して良い状況ではない、と金澤さんは感じています。それは「海藻が生えていない」から。この10年ほど、温暖化で海藻を食べつくす種類の魚やウニなどが増えて、海が「元気ではない」状態が続いているそうなんです。そこで金澤さんは、「病気になっている海を何とかしたい!」と様々な対策に取り組んでいます。
その一つが、天然の魚醤「五島の醤(ひしお)」の開発です。
磯焼けの原因の一つとされている藻食魚、藻を食べるアイゴやイスズミといった魚を使って魚醤を作りました。このように、これまであまり利用されてこなかった「未利用魚」を使って商品を作り、魚の利用価値を上げることで、海の元気を損なう魚の数を減らしていこうと考えたのです。
イカの刺身に魚醤をつけて試食した子どもたちにも「おいしい!」と好評の味でした。
また、子どもたちは、プラスチックごみを削減するために、魚の輸送手段として当たり前になっている「発泡スチロール」をやめて、段ボールを使う取り組みにも感心した様子。地元の海を知り尽くしている金澤さんの話を聞いて、海を守るために人間がやるべきことは何かを考えました。
~次回も、この「磯焼け」の問題とその解決策としての「未利用魚の活用」について子どもたちの「GO!TO!五島うみキッズ」での体験をリポートします!~