レポート
2024.10.15

カマス漁獲量全国2位(※)の長崎県のお仕事体験 【加工組合の職員になってカマスティックを作ろう!】を開催しました!

一般社団法人地域みらい創造センターは、10月5日(土)に伊王島加工組合と連携し、小学1年生以上とその保護者を対象に【加工組合の職員になってカマスティックを作ろう!】を開催いたしました。

このプロジェクトは実際に「伊王島加工組合」のお仕事体験を通して、海を守ることの大切さ、加工組合の仕事の楽しさや大変さを知ることを目的として開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

※一般社団法人漁業情報サービスセンター調べ

 

イベント概要

・開催概要:カマス漁獲量全国2位の長崎県のお仕事体験「加工組合の職員になってカマスティックを作ろう!」
・日程:2024年10且5日(土)
・開催場所:西彼南部漁協・伊王島支所前港
・参加人数:小学生3名 保護者2名 計5名
・協力団体:伊王島加工組合、一般社団法人海と日本プロジェクトinながさき

 

伊王島加工組合のお仕事は?

伊王島加工組合の小峰さんにお仕事についてお話を聞きました。

ご自身も漁師として漁に出られている小峰さん。獲れた魚は伊王島島内で販売する他、経営されている食堂で定食などにして提供しています。また、今回のお仕事体験で作るカマスティック(カマスを使ったフライ)は様々なイベントでも販売され、人気を集めているそうです。イベントによっては、200本近く用意することもあるとのことでした。

伊王島ではカマスの他に、伊勢エビやスズキ、シイラなどが獲れると教えていただきました。

そんな伊王島の海では、近年、海水温上昇の影響が出ているとか。秋に旬を迎えるカマスの漁獲量も今年は例年と比べかなり減っているそう。子供達は「魚が食べれなくなるかもしれないの?」と悲しそうな様子。そんな未来が来ないように、子供達に「できることを考えてみよう」と小峰さんは話します。

 

お仕事①水揚げされた魚の仕分け作業

実際に前日の夜に獲れた魚を仕分けする作業からスタート。

クーラーボックスに入ったたくさんの魚に子供達はびっくり!今回使うカマス以外にも様々な種類の魚が入っています。「この赤いのは何ていう魚?」「この大きい魚は?」と興味津々な子供達。

カマスにも赤カマスと黒カマスがあり、水分量に違いがあるそうです。赤カマスは身がしまっていて流通向きのため値が付きやすいですが、黒カマスは数十匹程度だと魚市に卸しても値段がつかず捨てられることが多かったそうです。そんな黒カマスに価値をつけて漁業者の利益をあげようという想いから始まったのが、今回作るカマスティックとのことでした。

1箱3キロほど入る発泡スチロールの箱に、種類ごとに魚を仕分けしていく子供達。初めて魚を触ったという子もいて、「ぬめぬめするーー!」と大はしゃぎ。仕分けをしながら、この日の仕事の報酬となる昼食用のカマスも選んでいきます。子供達は「大きいのがいい!」「私のはこれ、お父さんのはこれ」と楽しそうに自分やお父さんお母さんの分のカマスを選んでいました。

お仕事②カマスティック作り PART1

選んだカマスで早速カマスティックを作っていきます。

まずはうろこ取りから。小峰さんによると、黒カマスは海から上がってくるタイミングでかなり暴れるので、うろこはほとんどとれてしまっているそう。話の通り、こすって取れるうろこは少量でした。

そのあとはカマスの頭と尻尾の部分を切り落とします。包丁を握るのが初めての子もいて、緊張している様子が見られました。骨の部分は硬く切り落とすのに力がいるため、講師の小峰さんや保護者の皆さんもヒヤヒヤしながらその様子を見つめています。

切り落とす作業が終わったら、ハサミを使ってヒレを切り落とします。ぬめりのある魚を掴みながらヒレを切る作業に少々苦戦していました。

ヒレを切った後は、内臓を手で抜いていきます。少々おどろおどろしい作業でしたが、中には説明を受ける前に内臓を取り終わっている強者も!小峰さんから「うちに就職しない?」とリクルートされていました。


 

お仕事②カマスティック作り PART2 

内臓まで取り終わり水洗いしたカマスは、太めのストロー状の道具を使って骨を抜きます。この道具、なんと特許を取得しているそう!その名も「北条一本抜器」。もともとは小田原市でかますの骨抜き用に開発されたものだそうです。(小田原市ホームページより)

頭の方から中骨をくり抜くようにして差し込み、ぐりぐりと回しながら尻尾まで貫通させます。すると中骨がキレイに抜けるんです!子供達はもちろん保護者の皆さんからも「すごいー!」と驚きの声が上がっていました。


 

お仕事②カマスティック作り PART3  

骨抜きまで終わったら、いよいよ揚げる作業です!

小麦粉に塩コショウを加え水で溶いたものにカマスをくぐらせ、パン粉をまぶします。

「普通のパン粉より色が鮮やかですよね?」と、普段からお料理をされる保護者から疑問の声が。小峰さんによると、揚げたときにキレイになるようにオレンジの着色を施しているそうです。

そんなオレンジ色の衣をまとったカマスを、そっと油に投入していきます。170℃で5分程揚げれば完成!


 

お仕事②カマスティック作り PART4 

完成したカマスティックは、野菜を添えてお皿に盛りつけます。今回は小峰さんが経営する食堂で提供されているものと同じように、ご飯とお味噌汁をつけて定食としていただきます。

もちろんお仕事体験なので、子供達は自分でカマスティックを盛り付けて、ご飯と味噌汁も自分でよそいます。

これでこの日のお仕事は終了です!


 

お疲れ様でした!報酬のカマスティックの昼食をいただきます!

全ての仕事を終え、報酬のカマスティックの昼食をいただきます。

「めちゃくちゃ美味しい!」「身がふわふわ!」と子供達も保護者の皆さんも感激の様子。

小峰さんがタルタルソースやウスターソースなどを用意してくれていましたが、揚げたてのカマスティックはそのままでも十分美味しかったようで、あっという間に食べ終えていました。

仕事を終えたあとの食事は、より一層美味しく感じられたのではないでしょうか。


 

参加した子供達からの声

・魚を初めて料理して楽しかった

・同じカマスでも赤と黒がいるのを知って勉強になった

・家でまたカマスティックを作りたい

 

参加した保護者からの声

・普段なかなか子供達と一緒に何かをするということができないので、貴重な体験ができた

・魚料理を作れるようなイベントがあれば参加したい

・普段見たり入ったりできない場所で様々な体験ができて良かった

<団体概要> 

団体名称 :一般社団法人地域みらい創造センター

活動内容   :「リアルな仕事」をテーマにしたお仕事体験プログラム。「本物の環境で、本物の達人、本物の仕事を学ぶ」コンセプトに、いきいきと働く地域の大人たちとの触れ合いにより、好奇心や感受性を刺激し子どもたちの「生きる力」を育むとともに、地域に紐づくお仕事体験コンテンツを通じて、日本各地の魅力を再発見する取り組みです。

 

日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

https://uminohi.jp/

 

\ 記事をシェアしよう /
X LINE ニュースを共有

関連リンク

第12回清地化プロジェクト【一社)推し巡り協会の活動】
レポート
2024.10.25

第12回清地化プロジェクト【一社)推し巡り協会の活動】

<時津港海岸ごみ拾い>コミュニティ時津の活動
レポート
2024.10.18

<時津港海岸ごみ拾い>コミュニティ時津の活動

ページ内トップへ