長崎市茂木町にあるふぐ問屋の中﨑水産株式会社で、1月28日(日)お仕事体験プロジェクトが開かれ、小学2年生から中学3年生までのあわせて9人が参加しました!このプロジェクトは実際に「ふぐ問屋」のお仕事を体験することで、水産会社の楽しさや大変さ、海を守ることの大切さを知ることを目的に、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で開催されました。
長崎県は養殖のとらふぐ生産量が日本一です。しかし地球温暖化により海水温が上昇し、ふぐの漁獲時期・ふぐの大きさに変化が起こっているなど、環境の変化が影響している現状なども学びました。
<イベント概要>
日時 |
2024年1月28日(日)10:00~13:00 |
会場 |
中﨑水産株式会社(長崎県長崎市茂木町2188-13) |
プログラム |
1.朝礼 2.講義 (茂木の海の特徴や、ふぐについて、今日の仕事内容) 3.見学、体験(ふぐさばき、ふぐの身洗い、ふぐ皮を使用したかんぼこ作り) 4.昼食・レポート・終了式 |
中﨑水産株式会社の社長の中﨑さんにお仕事についてお話を聞きました。中﨑水産は国産養殖とらふぐに特化したふぐの卸し業者です。また長崎の美味しいふぐを広めようと「漁師飯なかざき」という飲食店を運営しています。中﨑さんは魚食普及にも熱心で、長崎市から依頼され市内の小学5年生を対象に、食育としてふぐ皮を使用したかまぼこ作りを毎年約2,000人に教えています。今日もお仕事体験プロジェクト、飲食店の仕込みのために朝6時から準備をしていると話してくれました。長崎市の茂木地区は、獲れる魚種が日本一と言われる長崎の海・橘湾に面しています。有明海からの海流が交わるという好立地でたくさんの種類の魚が獲れます。中﨑さんから「どんな魚が獲れるでしょう?」とクイズを出され、子どもたちもアジや太刀魚など知っている魚の名前を元気に答えていました。
この日はお仕事体験終了後、店内でお昼ご飯が食べられると聞いて、子どもたちは気合が入っています!
中﨑さんに養殖のとらふぐを2匹用意してもらい、まずは生きているとらふぐを触ります。「ヌメヌメしている!」「固い!」など子どもたちも声を上げます!そして中﨑さんにふぐを捌いてもらいました。捌くスピードの速さに子どもたちも「すごーい!」と大興奮。ふぐを捌くことを専門用語で「身欠き」ということを教えてもらいます。身欠きには免許が必要なこと。ふぐの毒は「内臓」や人間でいう「あご」の部分にあること、天然のふぐには毒があるが、養殖されるふぐにはほとんど毒がないことを教えてもらいました。さらにここで中﨑さんよりクイズが!「ふぐの毒は青酸カリの何倍の強さでしょうか?」子どもたちは「2倍」「10倍」「30倍」と答えていきましたがすべて不正解!答えは「青酸カリの1000倍~1200倍」と教えてもらい、大人も子どもも「えー!!」と驚きました。
「ふぐの身を洗うのに何を使うでしょうか?」中﨑さんが子どもたちに聞きながら、身欠き終わったふぐをある機械に入れました!それはなんと「洗濯機」!「えー!」と大人も子どもも驚きを隠せない様子。ふぐの身は固く洗濯機で洗っても身崩れしないと教わります。ここからは子どもたちの作業です。洗濯機で洗ったふぐの身にヌメヌメした部分が残っています。これを「ズル」といい「ズル取り」を行ないました。
同時にふぐの身から皮を剥がす作業を行いました。「ヌルッとしててむずかしい」「固い」「きれいに抜けた」など声を上げながら作業を進めました。
中﨑水産が年間2,000人の子どもたちに開催している食育学習を体験します。使用するのは「ふぐの皮」「きびな」です。ふぐの皮はハサミで切ります。きびなは手で①頭を取る➁内臓を取る③お腹を開き骨を取る この3工程で3枚おろしの出来上がり!「頭が取れない」「身を取っちゃった」と子どもたちも大苦戦です。3枚おろしのきびなをすり鉢に入れて混ぜ、ふぐの皮も入れ混ぜます。最後は卓球のピンポン玉の大きさに丸めパン粉を付けていきました。
すべてのお仕事が終わり、お待ちかねの昼食です!ふぐダシうどん、ふぐの唐揚げ、ふぐの竜田揚げがセットになった「ふぐ三昧セット」に先ほどみんなで作ったかんぼこを付けてもらいました。海の恵みに感謝しながらみんなで「いただきます!」。「自分たちでつくったかまぼこ美味しい」「うどんのダシが美味しい」「ふぐを初めて食べた!」と話しながら美味しくいただきました。
最後に中﨑さんに夢を語ってもらいました。長崎の名物といえば「ちゃんぽん」「カステラ」が有名ですが、その次に「ふぐ」と言われるくらい、ふぐを普及させることだそう。長崎といえば、ちゃんぽん、カステラ
「ふぐー!!」とみんなで掛け声で終わりました。子どもも大人も大満足でした!
・ズルを剥ぐのがむずかしかった。
・洗濯機で洗うのはびっくりした。
・体験したことで、家に帰ってからもっと長崎の海について調べたいと思った。
・海への感謝の気持ちを忘れないようにしたい。
・捌くところは怖がると思ったが、しっかり観察し積極的に参加できていた。魚を通して海への関心が高まってくれた。
・終始笑顔で子どもが楽しそうに体験していた。
・長崎には全国に誇れるものがあると知って嬉しくなった。知人に紹介したい。