出汁に使ったり、丸ごと食べることもできる「煮干し」の魅力や食文化を見直そうというイベントが雲仙市で開かれました。
煮干しのつかみ取りから、Tシャツ、アクセサリーまで、煮干しづくしのイベント「全国煮干しサミットin雲仙大会」です。
雲仙市には煮干しとご飯を炊きこむ「自転車飯」と呼ばれる郷土料理があり、庶民の食材として親しまれてきました。
長崎県は煮干しの原料となるカタクチイワシの漁獲量が日本一を誇るものの、漁師の後継者不足や魚の減少で水揚げ量は落ち込んでいます。
煮干しの魅力を発信し、食文化を次の世代につなげていこうと地元の漁協などでつくる実行委員会がイベントを開きました。
会場には地元・雲仙市をはじめ、香川県や千葉県などの販売業者も軒を連ねました。
人気だったのが500円で詰め放題の「煮干しのつかみどり」です。
参加者は「楽しかったです。においがするから煮干しをいっぱい感じられてよかったです」と話していました。
ステージでは薬膳の普及に取り組む「ニボシジェンヌ」こと、池田陽子さんが
「さばく必要もないし、煮干しの頭から骨から全部食べられる。まさに煮干しは美と健康のスーパーサプリ」と煮干しの可能性について語りました。
ほかにも、煮干しの解剖といったユニークなコーナーも設けられ、来場者は煮干しの魅力を存分に楽しみました。
来場者は「珍しさもあって来てみました。どんどんやって栄えさせてもらって(漁師の)若手の育成もしてもらったらいい。地元の活性化のためにはですね」と話していました。
雲仙大会の竹下千代太 実行委員長は
「今、日本食ブームもあるので、世界の人たちに煮干しを知ってもらうきっかけになればというので。動いてみれば次につながっていくんじゃないかということでやっています」と期待を胸に話していました。
サミットには2日間で約1万人が来場し、地元漁協の40隻の漁船による初のパレードも行われました。
【4月30日放送 KTNテレビ長崎のニュースから一部転載】