松浦市で鎌倉時代に沈んだ元寇船の「いかり」が2022年10月1日に約740年ぶりに姿を現しました。
画像は「いかり」の「歯」と呼ばれる先端部分がクレーンで引き揚げられているところです。
元寇船は今から約740年前(1281年)に鎌倉時代の弘安の役で沈没した元軍の船で、いかりは長さ約1メートル80センチの木製で水深は21メートルの海底に沈んでいました。
松浦市は引き揚げなどの費用をクラウドファンディングでも募り、この日は寄付者を対象にした引き揚げ見学ツアーも行われました。
熊本から訪れた人 は「ロマンがあってよかった。案内があってから楽しみにずっと楽しみにしてきた。(今後も)新しい船、色んな遺物が出てくれば大変興味があると思う」と興奮気味。
「いかり」は松浦市の市立埋蔵文化財センターの保存処理施設に移され、今後、解析や保存が行われます。
今回、引き揚げられたのは「木製のいかり」だけですが、将来的には鷹島の沖合いに沈む2隻の元寇船も引き揚げたい考えです。
松浦市 友田吉泰 市長は「将来船を引き揚げるときのプロセスにつながっていくわけなので、まさに我々が目標としている元寇船の引き揚げに大きな一歩を踏み出せた気がしている」と話しました。
國學院大学 池田榮史 教授は「海の中で見ていたのと違う情報がいっぱい得られているので、今後の検討の材料が増えた。日本全国でもこういう水中海底の遺跡の中の保存調査、活用という段階が同じように展開していけるような情報の提供をしていければいい、そのための一つのモデル」と期待を寄せました。
いかりは市立埋蔵文化財センターで一般公開されます。
(KTNテレビ長崎のニュースから一部転載)